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残 映
トラウマとまでは行かなくても、過去の悩みがフラッシュバックのように蘇り、辛かった思いを再体験することがあります。
もう忘れていいはずなのに、時間の壁を乗り越えて、当時の重苦しさが忍び寄って来ます。
それだけ傷が深かった、と言えばそれまでですが、本人にはどうすることもできません。しばし、当時の悩みと付き合うしか手がありません。
人間関係で悩んでいたAさんは、仕事や行事などがひと段落して、解放感に浸っているときに、そのフラッシュバックがやって来ます。
いつ、またBさんから、悪意のこもった恐怖のメールが来るかもしれない。解放感なんかに浸っている場合じゃない。心の準備をしていなくては…。
それを繰り返しているうちに、Aさんはいつの間にか、心から安心し、リラックスして生活をすることができなくなってしまいました。常に、臨戦態勢をとらざるをえなくなったのです。
Aさんは、このまま悩みの残映と付き合って行くしかないのでしょうか?
確かに、Bさんから、いつまた恐怖のメールが送られて来ないとも限りません。逆に、もう送られて来ることはないかもしれません。それは、Aさんには知る術がありません。
だとしたら、Aさんにできることはなんでしょう?
こちらから様子を探ることでしょうか?
メールアドレスを変更することでしょうか?
そういう手もありますが、逆に、やぶへびになることも考えられます。
最も有効で、手っ取り早い方法はなんでしょう?
それは、忘れることです。
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それができないから悩んでいるのでは?
では、どうしたら忘れることができるのでしょうか?
毎日を楽しみ、充実させればいいのです。
マグカップの底に傷があっても、楽しさでマグカップを満たせば、その傷は見えなくなってしまいます。
毎日を輝かせればいいのです。
その光が強ければ強いほど、悩みの残映は消えてしまいます。
傷があるから楽しめないのではなく、傷があっても、先に楽しんだ者、輝いた者の勝ちです。
残映を残すも消すも、いまの生き方次第なのです。
 

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