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- 考える葦
- 「人間は考える葦である」
そんな先人の言葉があります。
- 「人間は大自然の中では、はかない存在だけれど、ただの葦と違うところは、考えることができる点である。考える力によって、人間は宇宙の果てまで思いを馳せることもできるし、文明を発達させることもできた」
- そんな意味でしょうか?
- 確かに、人は自然界の法則のいくつかを解き明かし、それを応用することによって、便利な生活を手に入れて来ました。このコラムも、コンピューターやインターネットという技術がなければ、皆さんの許に届けることはできません。
- 文明は進化したのかもしれません。
ただ、問題は、では、人は葦より幸せなのか? ということです。
「考える葦」たる人は、水辺に群生する葦よりも幸福なのでしょうか?
考える力によって、物質的には豊かになったかもしれませんが、精神的にも豊かになれたのでしょうか?
- 考えるという行為には、裏と表があります。陰陽ですね。
建設的に前向きに積み重ねて行く思考が表だとしたら、裏は、不安感や猜疑心を呼び覚ます底なし沼のような思考です。ポジティブな思考とネガティブな思考と言い換えることもできます。
- このネガティブな思考が、多くの悩みを生んでいるのは間違いないところでしょう。私たちの便利な生活の副産物が、悩みだというわけです。
- では、私たちは、悩みを避けては通れないのでしょうか?
どうすれば、悩みから解放されるのでしょう?
考えることをやめればいいのでしょうか?
- それもひとつの方法ですが、考えることをやめることは簡単ではありません。
なぜなら、人には「考える」という機能が備わっているからです。
- では、どうすれば?
- 考える前に行動すればいいのです。
不安感や猜疑心が出てくる前に動いてしまうのです。
そして、動いた後に初めて考えればいいのです。
- 動く前に考えてしまうと、動けなくなってしまうことがよくあります。それでは、せっかくのチャンスを潰してしまうことにもなりかねません。そしてそれがまた、不安感や猜疑心を増幅してしまうことになってしまいます。
- もちろん、動く前に準備は必要です。準備体操はしっかりして、あとは身体に任せる。スポーツをする時と同じですね。
- 葦は何も考えていないかもしれません。ただ、常に、自然界の法則に則って活動しています。余計な躊躇や不安もなく、その時々に必要な行為を実行に移しているように見えます。少なくとも、人のように悩みを抱えているようには見えません。
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