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安 心
ギャンブル、お金、恋愛、お酒、タバコ、薬…
一度はまってしまうと、なかなか抜けられないものがあります。
それがないと生きている実感が湧かない、それがないと生きられない、
そんな強迫観念に駆られてしまう場合もあります。
人は欲望によって生きています。
食欲で生きるための栄養分を吸収し、睡眠欲で休息をとり、セックス欲で子孫を残します。生きるためのこれらの欲望がなくなってしまうと、人の生命は危機にさらされます。
一方、ギャンブルやお酒、タバコなどへの欲求はどうでしょうか?
それらがなくても、生命維持には何の差し障りもありません。でも本人は、それがないと生きて行けないと思ってしまうのです。
中毒までは行かなくても、私たちは様々なものに依存しています。
例えば、お金。
生活のためにはお金は必要です。
ただ、お金が必要だということと、お金に依存していることとは違います。
お金を持てば持つほど、それが減ることに怯え、戦々恐々として生きている人と、あまりお金はなくても「まあ、なるようになる」と淡々と暮らしている人と、どちらが幸せでしょうか?
前者はお金に依存し、後者はお金というものに支配されていません。
例えば、恋愛。
「あなたなしでは生きて行けない」と相手にすがっている人と、「お互いに成長しましょう」と競い合っているペアと、どちらが魅力的でしょうか?
相手を必要としていることに変りはなくても、前者は相手に依存し、後者は平等な関係です。
依存というのは、依存しているものに支配されることです。それがないと自分が苦しくなる、という不安に怯えることです。もしくは、それが常に気に掛かり、それから逃げられないという囚われの状態です。
そこには、安心というものがありません。自由というものがありません。
何かがなくても大丈夫という安心感、何かを気にしなくてもいいという自由。
そういう安心感や自由を持つことは、できないものでしょうか?
実は私たちは、それらをすでに持って生きています。
私たちは、空気や大地、そして太陽がなくなれば、生きていくことができません。しかし、普段、私たちは空気がなくなったらどうしよう、大地がなくなったらどうしよう、太陽がなくなったら…と不安に怯えることがあるでしょうか? まず、殆どの人がないのではないでしょうか。
自分たちが生きていくための絶対条件、それに依存しているにもかかわらず、それを意識することはあまりありません。私たちは、無意識の内に、この地球があること、太陽があることを信じているのです。
安心しましょう。自由になりましょう。
私たちは、すでに安心しており、すでに自由なのですから。
 

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