- 主人公2
- 誰しもが自分の人生の主人公ではありません。
- え?
自分の人生は、自分しか生きることができないのでは?
- 確かにそうです。
では、こういうケースはどうでしょう?
- 1.親や配偶者、上司など、人が敷いたレールの上を歩いている人。
2. 失敗したとき、人の責任にしがちな人。
3. 人の評価がやたら気になり、評価を得るような生き方をしている人。
4.喜怒哀楽などの感情や、ギャンブル・お酒などのとりこになりがちな人。
5. 自分にできることしかしない人。
6. 自分のことしか考えていない人。
- このような人たちは、主人公として自分の人生を歩んでいる、と言えるでしょうか?
わかりやすくするために、これらを物語の主人公に置き換えて考えてみましょう。
- 1.のケース。
葛藤の末、主人公が目覚め、自分の足で人生を歩き始めるのなら、物語として成立するかもしれません。しかし、人が敷いたレールの上を歩き続けている限り、読者の気を引くことは難しいでしょう。なぜなら、そこには冒険がないからです。
- 2.のケース
逃げの人生です。自分で責任を引き受けられない主人公は、逃亡者として逃げ切れなくなったとき、どうするのか? これも逆転の展開が求められます。
- 3.のケース
人の顔色ばかりをうかがっている主人公が、読者にとって魅力的でしょうか?
この人にとっては、評価を下す人が主人公になってしまっています。
- 4.のケース
例えば、怒りのとりこになっている人は、自分が怒りに飲み込まれている状態ですから、主人公は「怒り」です。「○○中毒」と言われる人も同様です。一色に塗り固められているわけですから、物語としては単調にならざるをえません。
- 5.のケース
自分にできないことをやろうとしないのでは、新しい世界は拓けません。次のステップに進めない物語は、人を飽きさせます。
- 6.のケース
自分の人生をいかにも歩んでいる体(てい)ですが、実は最も主人公から遠いキャラクターです。なぜなら、主人公は他のキャラクターがいて初めて、主人公足りうるからです。他者の存在しない人は、成長することもありません。主人公が成長しないお話は、ギャグ以外は成立しにくいものです。
- さて、以上のケースに共通することはなんでしょうか?
それは、1.~6.のような物語は、あまり読みたいとは思わない、ということです。
- なぜでしょう?
面白そうではないからです。
- なぜ、面白くないのでしょう?
それは、心を揺さぶられないからです。
- では、どういう主人公に心が揺さぶられるのでしょう?
- それは、挑戦する主人公ではないでしょうか。
無理かも、と思われることに挑んで行く主人公。
何かを乗り越えようとしている主人公。
- そのような主人公が動くことによって、起伏に富んだ物語が創り出されて行きます。どこまでも平坦で、起承転結もないような物語は、読んでいて退屈です。
- あなたは、続きが待ち遠しいような物語を創り出しているでしょうか?
- もちろん、主人公のタイプはそれだけではありません。
それは次回に。
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