- 水清ければ
- この世界は、表と裏、プラスとマイナス、本音と建前、善と悪…つまり陰と陽が混在しています。
では、物事には裏があり、プラスとマイナスを計算し、本音と建前を使い分け、悪がはびこるのは仕方のないことなのでしょうか?
- そんなことはないですよね。
- でも、表と裏があるのがこの世界だったはずです。
- 確かにそうです。この世界には表と裏があります。
ただ、表と裏があるからと言って、わざわざ両方を選ぶ必要もありません。
- 人にはマイナスの感情があります。他人を羨んだり、妬んだり、恨んだり、という負の感情。ただ、それがあるからと言って、人を羨んだり、妬んだり、恨んだりしなければならない、ということはありません。
避けて通ることは可能です。もしくは、それを使いこなすことは可能です。
- 人には表と裏があります。顔は笑っていても、心の中では笑っていない場合があります。
だからと言って、心から笑えないわけではありません。
- 人には本音と建前があります。本音はやりたくないことでも、やらなければならないことがあります。
だとしたら、やりたくないことを、やりたいことにすればいいだけです。そうすれば、やりたいことだけをやって暮らせます。
- わかりにくいでしょうか?
では、タバコの例で考えてみましょう。
- タバコは体に悪いし、周囲にも迷惑をかけるから止めましょう、と言われても、喫煙者はそう簡単に禁煙することができません。
仮に禁煙を決意したとしても、数ヶ月、場合によっては数年、喫煙することを夢見る日々が続きます。
しかしある日、タバコの存在自体を忘れてしまう時がやってきます。
吸いたいのを我慢するのではなく、もう吸いたいという欲求がなくなってしまうのです。世の中にタバコはあっても、その人の生活からは、タバコという存在が消えてしまいます。
- それと同じように、この世界に、物事の裏面やマイナスの感情や建前があるとしても、自分の世界にはそれらが存在しない、ということがありえます。
- 「水清くして魚棲まず」と言います。
- 一方で、
- 「水清ければ月宿る」ということわざもあります。
- 陰と陽、両方があることを認めた上で、清い水を選択すればいいのです。
-
閉じる