- 不寛容の悩み
- 例1.
駅の上り用の階段をあなたが上っている時、その階段を駆け下りてきた人がいるとします。あまり広くない階段なだけに、このままではぶつかってしまうかもしれません。あなたは道をあける必要があるでしょうか?
- 例2.
ターミナル駅に到着した満員電車からあなたが降りるとき、道をあけようとしない人がいるとします。強引に降りようとしたら、こちらを睨みつけてくる始末。あなたはどうするでしょうか?
- ルールやマナーを守らない人、他の人に配慮できない人、様々な人が世の中には存在します。
- 例1.の場合、ルールを破っているのは相手の方です。あなたに落ち度はありませんが、このままだと少々危険です。
- 少し別の例で考えてみましょう。
あなたは、信号が青になった横断歩道を渡っています。そこに、信号を無視した車が突っ込んできました。あなたは交通規則を守り、規則を守っていないのは車の方です。でも、車をよけないことには大怪我をしてしまいます。それでもあなたは「私は正しい」と、前に進むでしょうか?
- 例2.の場合、角度を変えて、睨みつけてきた人の立場で考えてみましょう。
その人は、自分はこの駅で降りないのだから、電車から降ろされてたまるものか、と踏ん張っているだけかもしれません。その人にしてみれば、あなたの方が横暴で無礼な人に見えている可能性があります。
- 以上のことから、何が学べるでしょうか?
- まず、青信号に車が突っ込んできたら、あなたは逃げるべきです。
それと同じで、自分にぶつかってくる人がいたら、あなたはそれを避けるべきでしょう。いくらあなたが正しいとしても、です。
- 次に、人に譲ってもらうためには、最初にあなたが譲ることです。
例2.の場合、あなたがひとこと「すみません、降ります」とか「降ろしてください」とお願いすることで、道は作られます。
「大勢の人が降りるのだから、自分がお願いしなくても、ドアの近くにいる人は道をあけるべきだ、それが常識だろう」と決めてかかるのではなく、あなたの方からひと言お願いすればいいのです。譲ればいいのです。
- あなたが道をあける立場だった場合も、同じことが言えます。
あなたが率先してドアの外に出て道をあければ、その駅で降りる予定ではない人も、多くはあなたに従います。誰かが譲れば、道はどんどん開けていくのです。
- 正しいのは自分だ、間違っているのは相手だ。
仮にそうだとしても、それを押し通そうとすると、トラブルが生じ、悩みが派生してしまいます。
- 「負けるが勝ち」という言葉もあります。
譲ると、不思議に道は開けて行きます。
一度、試してみてはいかがでしょうか?
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