- ロボットの悩み
- もし、ロボットに悩みがあるとしたら、
その原因をすべて突き止め、ひとつずつ解決することで、悩みを解消することができるでしょう。
不具合が改善されれば、ロボットは設計通りに、快調に過ごすことができるはずです。
それができるのは、ロボットの構造や誕生の目的、その役割が明確だからです。
- それに比べて、人間はどうでしょう?
なぜ自分が誕生し、この人生でどんな役割を担っているのか、明確になっている人はどのくらいいるでしょうか?
多くの人が、それをわからずにいます。
- なぜ、自分は生まれたのか?
なぜ、自分は、紀元前でもなく、江戸時代でもなく、23世紀でもなく、この時代に生を受けたのか?
なぜ、ケアンズでもなく、キエフでもなく、杭州でもなく、この日本の地に生まれたか?
なぜ、樹木ではなく人間に、男ではなく女に、山本家ではなく鈴木家に生を受けたのか?
なぜ、父親は公務員ではなくケーキ屋さんを営んでいたのか?
なぜ、母親は家を出て行ってしまったのか?
なぜ、ピンクではなくブルー系が好きなのか?
- 私たちには、わからないことが多すぎます。
いまの自分がどうしてこうなったのか、それが過去の自分の積み重ねだとしても、明確にその理由を示すことは困難です。
- では、どうすればいいのでしょう?
- 「わからない」を認めるしかないのではないでしょうか?
- 人は答えを求めます。できるだけ明確な答えを、できるだけ早い時期に。
でも「わからない」に、答えはありません。
答えがないことに答えを求めても、せんないことです。
- だとしたら、「わからない」を認め、「わからない」に敬意を払い、
「わからない」に任せるしかありません。
「わからない」に任せるって???
- 未来に何が起こるかわからないとしたら、
目の前に起こることに集中するしかありません。
- 前の車が急ブレーキを踏んだら、精一杯ハンドルを切るのです。
前の車が急ブレーキを踏んだ、その訳を詮索している余裕はありません。
事故を起こさないように対応することが、まずはやるべきことですよね。
- 自分が置かれた環境に没頭すること、
それが「わからない」に身を任せることです。
- *ちなみに、上記の「なぜ」を明らかにすることが、万象学の働きのひとつでもあります。
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